“奥州筆頭大名・『独眼竜』伊達政宗”
若干十八歳にして伊達家の家督を継ぎ、数年のうちに破竹の勢いで奥州筆頭大名にのし上がった『独眼竜』伊達政宗。
伊達政宗は、天下人・豊臣秀吉の時代を巧みな駆け引きで生き抜き、その後も徳川家康に重用され、現在の仙台の繁栄の基礎を築きました。
又、政宗率いる伊達隊は『大坂夏の陣』(道明寺の戦い)で、勇将・後藤基次(又兵衞)隊を壊滅させ、
その後、戦国最強ともいわれた真田幸村隊と激突し、まさに戦国時代の最期を飾るにふさわしい激戦を繰り広げました。
本作は、若年期より苛烈な戦いを経てその地歩を固めた政宗が戦場で自ら指揮を執る、颯爽たる雄姿を武将像として制作しました。
颯爽と指揮を執る若き青年像で再現。
鋭い鉄鞭を手に指揮を執る姿は、旧態依然たる奥州に風穴を開けた政宗らしい鋭い印象を与えます。
『五枚胴具足』とは胴を五枚の鉄板で構成する具足で、仙台藩では歴代藩主や多くの家臣が着用していたとされています。 当時の鎧本来の構造を正確に再現した像であり、鉄・漆・革など複合素材を用いる日本の鎧ならではの
作家・海野 宗伯(うんの そうはく)は有名武将の甲冑の大半が失われ、実像が分からなくなっていることに危機感を覚え、 日本の鎧は大名ごとに他の国にない独自の美しさと機能性を兼ね備え、防具以上の精神性を伴っています。 生殺与奪―、すべてを決める権限をもち、自ら道を切り拓き、国をつくった戦国時代の大名たち。
伊達政宗像の目には生命感を宿す輝きを再現しています。
瑞鳳殿 / 仙台市青葉区霊屋下23-2
©KENSIN
鉄鞭と弦月(三日月)の前立てには、その鋭さを表現するために、金属を用いました。
弦月の前立て
伊達の軍装の美しさは、漆黒の装備の中にただひとつ輝く金の三日月を押し出し、
あえてその美しさを際立たせているところにあります。
前立てには本金箔を用いることにより、本物の輝きを再現しました。
質感再現
本像の制作の難しさは各所の質感再現にあります。
鎧と一口でいってもその素材は鉄や布、革、漆、と様々。
本作は一部を除きポリストーン(人造石)という一つの素材を用いて再現するため、金属部や布、革、漆といった質感の差を特に意識し、
熟練の職人による手仕事で微妙な輝きや質感付けが与えられています。
それにより、あたかも甲冑の音さえ聞こえてくるかのような臨場感を生み出しています。
五枚胴具足を着用。
全身を黒の甲冑でかため、金三日月の前立てを際立たせる装いは、安土桃山の美を強く反映しています。
伊達政宗は巧みな軍事・政治の才を備え、また同時に戦国屈指の教養人としても有名です。
香道・和歌・能楽に秀で、その高い美意識は「伊達者(粋でおしゃれな男性)」と称する呼び名となって現代にも残っています。
伊達者とは、朝鮮出兵の上洛の際、伊達家の黒と金のきらびやかな軍装が京都人の注目を集めたことに由来します。
本像でもその伊達の美意識の結集ともいえる甲冑装束を細部まで正確に再現しました。
甲冑の漆黒、前立て(本金箔仕様)の金、陣羽織の赤と、安土桃山の美意識が色濃く反映された彩色仕上げとなります。
質感も多くの技術と時間を費やし精巧に再現しました。
この立体彫像はそれら日本の技を、美術作品として後世へ残すものと考えています。
本作品を制作した作家の想い。
安土桃山の造形美を後世へ残すため研究と創作を開始しました。
30年以上にわたり戦国大名と戦国美術の研究を行い、戦国期の鎧の研究をもとに、
出来うる限り正確に甲冑装束の出で立ちを再現した彫像を制作しています。
―日本の鎧をまとった武将たちの姿を後世に伝える
日本の武将たちは己の信条や美意識を独特な形状の兜、また黒・赤・金といった華やかな色で表現し、
まさに華々しく死ぬための装束として戦場に臨んでいました。
目立つ装束で戦場に挑むのは、死を恐れず、戦場で見事に死ぬことこそ
本懐であると考える日本独自の武士の死生観に対する美学を反映しています。
大名たちがどのような姿かたちで戦国を生き抜いたのか、その臨場感に溢れる姿を
正確な考証と優れた造形美表現で再現しています。
生命ほとばしる、瞳の輝きを再現。
瞳の描き入れ、また兜の装着などすべて手仕事で行い、時間を掛けて丁寧に制作しています。
本作のような立体造形は、絵画など平面物に比べ
はるかに工程が複雑で制作が難しい面を持っています。
造形の各部を歪みなく正確に複製し、磨き、形を整え、組み、彩色する――その工程は膨大で、
時間はもちろん、職人の技術も必要となります。
彩色ひとつをとっても、同じ色の中にも幅広い色調と質感の変化をつけており、
まとめ上げる高度な彩色仕上げは、作家の技術が如何なく発揮されています。
その一作にかかる制作時間はおよそ彩色だけでも40時間以上にもおよびます。
鎧装束のしっかりとした考証的見地を備えた正確な彫刻作品という点において、本作は他に類がありません。
またこれだけの鎧を細部にわたり精巧につくり上げる技術も含め、美術品として、また工芸品として唯一無二の価値ある作品と言えます。
【瑞鳳殿 奉納作品 ”五枚胴胴具足 伊達政宗像”】
「瑞鳳殿」は 伊達家三藩主(政宗、忠宗、綱宗)が眠る霊屋(おたまや)です。
70歳で生涯を閉じた仙台藩祖伊達政宗公の遺命により、その翌年経ケ峯に造営されました。
安土桃山文化の遺風を伝える豪華絢爛な廟建築であり、1931年に国宝に指定されました。
1945年の戦災で惜しくも焼失しましたが、現在の建物は規模、装飾ともに、
焼失以前の瑞鳳殿を範とし、1979年に再建されたものです。
本作” 五枚胴具足 伊達政宗像”は瑞鳳殿資料館にて閲覧が可能です。
瑞鳳殿資料館:開館時間等は瑞鳳殿へお問い合わせください。
※彩色表現はすべて人の手仕事のため、商品画像と製品は一部異なる場合があります。
※お使いのディスプレイ機器によって、異なる色に見える場合があります。
※サイズは試作品計測のため、製品と若干の誤差が生じる場合があります。
【製品仕様】
工房制作品 限定制作50体(シリアルナンバー入り)
※在庫残り僅か※ 現在、限定で2体のみを販売しております。
販売価格: 400,000円(税別)
サイズ : 約幅32×奥行30×高51(cm)
素材 : ポリストーン(一部金属、ポリウレタン、特殊樹脂、金属、本金箔、紐)
重量 : 約3kg
付属品 : 立札「銘 五枚胴具足 伊達政宗公」(約縦12×幅4.5cm)
※2016年7月20日.追加付属品として 独眼竜・伊達政宗の【眼帯】が付属することが決定いたしました。
※お取り外し可能です。
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*本作は、商品番号SA-003の改良作品です。